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第04話 禁忌を破るモノ

Auteur: あおはな
last update Dernière mise à jour: 2026-03-09 12:52:20

 相楽悠馬と数人の生徒が、深夜の帳をすり抜けるように宿を抜け出した。

 宮守の忠告――「夜になったら外に出るな」。それをただの古臭い因習だと切り捨てた彼らは、興奮気味に足を速めながら、村はずれの神社を目指していた。

「なあ、あれ見てみろよ。めっちゃ雰囲気あるじゃん……ホラー映画っぽくてさ」

 相楽の声に、生徒たちは笑い混じりの緊張を抱えたまま、鳥居の内側へ足を踏み入れる。

 その瞬間――石段の先、闇の奥で何かが揺れた。

「……今、動いた?」

 誰かの小さな囁きとともに、ひときわ濃い霧が彼らの周囲を包み始める。

 その刹那、相楽の首筋に冷たく硬い『爪』の感触が這い寄った。

「ッ……!?」

 反射的に身を引こうとした、そのときだった。

 霧の中に、赤い光がふたつ浮かび上がる。

 それは――目だった。

 夜の闇よりなお濃い黒髪に、血のようににじむ瞳。

 静かに姿を現したのは、不自然なほど整った顔立ちの青年だった。

 漆黒の和装に身を包み、その佇まいは異様なほど静かで、まるでこの世のものではない。

 その美しさに、相楽は一瞬、恐怖を忘れて見惚れてしまう。

「……おや? 俺に見惚れたか?」

 
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